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2回目の大規模修繕 マンション老朽化 水道設備の劣化と修繕のタイミング
公開日:2023/07/03

マンション大規模修繕と言えば、建物全体が足場で覆われて大掛かりな外壁や防水工事のイメージが一般的です。しかし目で見えて、素人にもわかりやすい経年劣化による外壁のひび割れなどの工事以外にも、実は普段目に見えない水道設備の修繕工事は、大規模修繕における大切な工事要件です。
特に2回目の大規模修繕工事は、水道設備関連の劣化調査もしっかり行い、効果的な修繕工事に組みましょう。
目次
◯マンションにも健康管理が必要?
◯2回目のマンションの大規模修繕を行う時期は?
◯水道管の寿命は何で決まるか?
今週のもっと知りタイム
2回目の大規模修繕工事は「水道設備」が重要って本当?
マンションにも健康管理が必要?
普段見えない「水道設備」は、人間で言う「血管」。定期的な健康診断を!
マンションも人間と同じように「老化」します。建物の外壁など、つまり人で言う「外科」と、普段は目に見えない水道設備などの「内科」の健康状態が問題となります。
外壁のひび割れや屋上防水など目で見える劣化は、住民の合意形成が得やすく比較的対応を取りやすいのですが、水道設備などの老朽化はトラブルが起きる前の診断と対策が重要となり、結果的に費用対効果が高い改修工事をすることができます。
マンション水道設備の「老朽化カレンダー」を参考に
そのため水道設備に関しては、使っている資材の材質や設計により劣化の目安がある程度決まっていますので、通常はその老朽化カレンダーをおおよその目安にしながら「劣化調査」などで状況を見極め、「更生」「更新」等の改修工事を行うこととなります。
2回目のマンションの大規模修繕を行う時期は?
マンションの劣化対策のため重要な「2回目の大規模修繕工事」
※参考:国土交通省の「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」では、2回目の大規模修繕工事は、築26~33年前後に実施していることが多いという結果が出ています。
https://www.mlit.go.jp/common/001234283.pdf
水道管の寿命は何で決まるか?
水道設備の寿命は様々な要因が複合するので、専門家の検査と診断が必要
水道設備の耐用年数は、一般的に次の3つの要素で決まります。
①(管や機器の)素材
②(設備の)使用頻度
③採用している配管の設計と工事技術
となります。
素材の耐久性に関しては管の材料によっておおよその目安がありますがhttps://www.sankou-setsubi.co.jp/services/kyusui.htmlやはり試用頻度や環境により同じマンション内でも一律ではありません。また長寿命化を目的とした新しい素材や、継ぎ手部分などの部材を利用した設備では劣化がすすむスピードも遅くなります。
専門的な調査をして、状況を客観的に把握
このようにマンションやビルによって状況は様々に異なりますので、専門家による「耐圧試験」や、劣化の進行がわかりやすい水道メーター周りの「抜管調査」、また「内視鏡を使った管内の調査」などの客観的な診断と報告を仰ぎ、適切な工事内容と優先順位を決めるべきでしょう。
★給水管の劣化調査は「水道メーター周り」の調査から
★★★もっと知りタイム★★★
2回目の大規模修繕工事は「水道設備」が重要って本当?


当然ですが、一度大規模修繕工事を行ってもマンションの劣化は進み、修繕しなければならない場所も年数と共に増えます。特に第1回目の大規模修繕工事の際、予算の関係やその時点では目立った劣化が表面化していなかったために見送った設備関連の工事は、2回目の工事の際は必ず検査・調査を行うようにしましょう。
2回目の大規模修繕工事の計画の大きなポイントは、外壁や建物(建築)などと同時に、水道・電気などの設備関連の「専門家にしか分からない劣化の状況」を調査依頼しそれを「見える化」し、結果に基づいた「対策」を優先順位をつけて工事を進めることです。
例えば、見落としがちな屋上の通気金物などもこの機会に調査してもらうことで、2回目の大規模修繕工事のタイミングで補修工事をすれば、少ない費用で寿命をのばすことができます。この通気金物をそのまま放置しておくとサビで劣化が進み、屋上を壊して取り替え(更新工事)なくてはならなくなり、多額の費用と工事による騒音・振動で住環境への悪影響が出る点も考慮しましょう。
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