公開日: 2023/12/18 / 更新日: 2026/07/23

近年、マンションの大規模修繕や改修工事の発注形態として「責任施工方式」を取り入れる管理組合様が増えています。
「マンションの維持管理は自分たちで主体的に取り組む」という意識が高まる一方で、修繕積立金の不足などを背景に、管理会社やコンサルタントへお任せしていた業務を自ら行うことで、中間マージンやコンサル費用などのコスト削減を目指すケースが一般的です。
本記事では、「責任施工方式」でマンションの水道設備工事を成功させるためのポイントや注意点、失敗しない業者選定の基準について詳しく解説します。
目次
この記事のポイント
この記事では、責任施工方式によるマンション水道設備工事のメリットや注意点を解説しています。おさえておきたい主なポイントは以下の通りです。
【責任施工方式とコスト削減】
中間マージンやコンサルティング費用を削減でき、修繕積立金を有効活用した最適な工事計画が可能になります。
【劣化調査と定期的な予防保全】
見えない給水管だからこそ、耐用年数を目安にした定期的な診断と漏水予防が修繕費用全体の削減につながります。
【失敗しない専門業者の選定基準】
調査から施工・アフターフォローまで自社で完結できる「工事直販」の実績豊かな施工会社を選ぶことが成功の鍵です。

トラブル防止のための劣化調査を行う適切なタイミングと判断基準
一般的な設備の耐用年数を目安に調査する
多くのマンションでは「長期修繕計画」が定められており、配管資材の一般的な耐用年数をもとに調査のタイミングが設定されています。
ただし、耐用年数はあくまで標準的な指標に過ぎません。例えば、塩害を受けやすい海沿いの立地や、水の使用量が少ない空き部屋の割合など、住環境や使用頻度によって実際の老朽化スピードは大きく変化します。修繕計画通りの年数だけに囚われず、現場の実際の使用状況に応じた柔軟な対応が必要です。
事故の「予防措置」として、費用をかけてしっかり調査を行う
理想は「事故が発生する直前に調査を行ってトラブルを防ぐ」ことですが、見えない配管内部の寿命を完璧に予測するのは極めて困難です。
水道の劣化診断は、まさに「人間でいう健康診断」と同じ役割を果たします。トラブルや症状がない健康な状態であっても、定期的に点検や診断を行うことが、深刻な漏水事故を未然に防ぐ一番の近道となります。
一見すると点検や診断に費用がかかるように思えますが、万が一重大な漏水事故が発生した場合の緊急修繕費用や階下への被害補償を考えれば、定期的な予防保全を行う方が結果として全体の修繕費用を大きく抑えることにつながります。経験豊富な施工業者へ直接相談し、具体的な実績や費用対効果を示しながら、住民皆様の合意形成を進めていきましょう。
給水管における老朽化調査の具体的な手順と検査方法
給水管の老朽化調査は、建物や住戸に負荷をかけないよう段階を踏んで進められます。最初に行う「第1段階(初期調査・一次診断)」では、専門家による現状把握と基礎的なコンディションチェックを実施します。
① 専門家による「目視調査」
複雑に入り組んだ給排水設備の状態を正確に把握するには、専門家の知識と豊富な現場経験が不可欠です。パイプスペース内の配管本体はもちろん、接合バルブ、給水ポンプ、受水槽、給湯器まわりに劣化や錆(サビ)の発生、漏水の兆候がないか、外面の劣化状況を細かく点検します。
② 水圧テスト

専用のテストポンプを用いて配管内に規定の圧力をかけ、一定時間圧力が保持されるかを確認します。目視では確認できない配管の継ぎ目の緩みや、目に見えない小さな亀裂・ピンホール(針穴状の穴)による漏水リスクを数値で客観的に判定できます。
③ 水質検査
蛇口から吐出される水を採取し、水質基準に適合しているかを検査します。濁りや赤錆の混入状況(赤水)を目視で確認するだけでなく、専用試薬を用いて残留塩素濃度や鉄分濃度、濁度・臭気・味などを多角的に調べます。水質に異常が見られる場合は、配管内部で錆のコブが形成されているサインとなります。


ここまでの第1段階(初期調査)については、委託している管理会社や専門業者を通じて無料または比較的安価で対応してもらえるケースが多くあります。
④ 水道メーター周りの老朽化調査(二次診断)
初期調査で不具合の兆候が見られた場合、より詳細な「水道メーター周りの老朽化調査」を実施します。メーター周りを調査するのには、次の2つの理由があります。
- 劣化のサインが出やすい:部品やつなぎ目が多いため傷みやすく、建物全体の老朽化レベルを判定する良い目安になります。
- 壁や床を壊さず検査できる:メーターボックスを開けるだけなので、お部屋を傷つけず安全・迅速にチェックできます。

予算や調査範囲に応じ、配管の継ぎ目部分などを一部取り出す「抜管(ばっかん)調査」を行い、管内の錆や腐食の進行度(有効管径の縮小具合)を正確に検証します。調査結果は写真やデータで可視化し、管理組合や居住者の皆様へわかりやすく共有することが確実な合意形成につながります。


▼詳しい給排水設備の診断手順やサービス内容につきましては、以下のページもあわせてご覧ください。
給排水設備の診断サービス案内はこちら
漏水の疑いがある場合に実施する精密調査と対応手順
目立った漏水事故が起きていない段階であっても、水圧テスト等の結果で減圧が見られ、漏水の疑いが生じた場合は、該当箇所周辺の専門的な調査が必要となります。
① ファイバースコープ(内視鏡)による管内調査

配管の内部にファイバースコープ(内視鏡)を挿入する調査では、管内の赤錆や全体的な劣化傾向を把握できます。ただし、マンションの長く入り組んだ配管内部から、極小のピンホール(ピン穴状の漏水箇所)を正確に特定するのは容易ではありません。
② 壁や床の開口による抜管検査・部分交換工事

水圧検査等で明確な減圧があり、漏水の懸念が高いケースでは、単なる点検にとどまらず一部工事の範囲へ移行します。具体的には、漏水が疑われる箇所の壁や床を一部開口し、配管を切り出して内部を確認、あるいはそのまま最新の配管へ部分交換するのが一般的なアプローチとなります。


【まとめ】責任施工方式で計画的な修繕・コスト削減を実現しよう
マンションの給水管工事において「責任施工方式」を採用することは、余分なコンサル費用や中間マージンを削減し、限られた修繕積立金を有効活用するための非常に有効な手段です。
専門的な判断が必要となる劣化調査や工事手法についても、経験豊かな信頼できる施工会社をパートナーに選ぶことで、確実かつスムーズに進行することができます。「工事コストを抑えつつ、確実な修繕を行いたい」とお考えの管理組合様・ビルオーナー様は、ぜひ株式会社サンコウ設備へ直接ご相談ください。
責任施工方式と給水管劣化調査に関するよくある質問
Q 責任施工方式の最大のメリットは何ですか?
管理会社やコンサルタントを介さないため、中間マージンや委託業務費などの余分な費用を大幅に削減できる点です。浮いた費用を実際の工事品質向上や別の修繕に充てることができます。
Q 管理会社を通さずに専門業者へ直接相談しても大丈夫ですか?
はい、まったく問題ありません。近年は主体的なマンション管理を目指し、直接施工会社に相談される管理組合様が増えています。サンコウ設備では調査から施工、居住者様へのご案内まで一貫してサポートいたします。
Q 給水管の劣化調査費用はどれくらいかかりますか?
目視や簡易検査であれば低予算・無料で行えるケースもありますが、抜管調査などを行う場合は範囲や規模に応じて費用が異なります。まずは現状の課題をお伺いし、最適な調査プランをご提案させていただきます。

平成7年の設立以来、30年にわたり給排水設備を中心としたインフラ工事に携わる。これまでに30,000件以上の工事実績を持ち、現場で積み上げた確かなノウハウが強み。
大手建築会社などの仲介業者を通さず、自社で直接ご提案から施工までを行う「工事直販」のスタイルにこだわり、多くの管理組合様やビルオーナー様から厚い信頼を寄せていただいている。




















