マンション排水管のゴボゴボ音・臭いの原因と対処法【放置のリスクや解決策を解説】

公開日: 2023/05/28  / 更新日: 2026/05/08

「キッチンの排水口からゴボゴボと音がする」 「洗面所やお風呂場から下水のような嫌な臭いが上がってくる」
マンションにお住まいで、このような排水トラブルにお悩みではありませんか?
マンションの排水設備の不具合は、集合住宅特有の問題です。放置すると個人の専有部だけでなく、近隣住人やマンション全体を巻き込む大きなトラブル(漏水事故など)に発展する恐れがあります。
目に見えない水道の問題は、給排水設備の構造や仕組みを正しく理解することが解決への第一歩です。そうすることで、管理組合や住民間での合意形成がスムーズになり、適切な対応が可能になります。

アイコンこの記事のポイント

【原因は主に劣化と詰まり】

排水管の「劣化」や汚れの蓄積が、異音・悪臭の主な原因です。

【放置は厳禁!二次被害のリスク】

放置すると、階下への漏水事故や害虫の大量発生など、取り返しのつかない事態に発展する恐れがあります。

【NGな対処法に注意】

異音がする際に、大量の水を一気に流したり、無理にワイヤーを押し込んだりするのは事態を悪化させるため危険です。

【まずは管理組合に相談を】

個人業者では専有部しか対応できないことが多いため、マンション全体の問題としてまずは管理組合に相談しましょう。

【盲点となる「通気管」】

専門家でも見落としがちな、屋上の「通気管」の劣化がトラブルの引き金になっているケースがあります。

マンションの排水管の仕組みはどうなっている?

原因を探る前に、まずはマンションの排水管の構造を知っておきましょう。

マンション排水管の構造イメージ

マンション排水管は上下で「つながっている」

マンションの排水管は、基本的に上層階から下層階まで1本の太い管(縦管)でつながっています。 各階の同じ位置にあるキッチンや浴室などの水回り設備から出た排水は、上の階からまっすぐ下へ向かって伸びる排水管を通り、最終的に1階の床下(または地下)にある横引き管を経て、地域行政が管理する「公共下水道」へと流れていきます。

マンション内には、主に以下の3つの排水系統が組まれています。

  • 雑排水管: キッチン、浴室、洗面所、洗濯機などの生活排水を流す
  • 汚水管: トイレの排水を流す
  • 雨水管: 屋上やベランダに降った雨水を流す

匂いや逆流を防ぐ「排水トラップ」

各住戸の排水口には、下水からの悪臭や害虫が室内に侵入するのを防ぐため「排水トラップ」と呼ばれる仕組みが設けられています。トラップ内に常に一定量の水(封水)を溜めておくことでフタの役割を果たします。

ゴボゴボ音や悪臭の主な原因は?

排水管内部の汚れ
内視鏡カメラによる排水管内の劣化調査

異音や異臭が発生している場合、排水設備のどこかに不具合が起きていますが、そのほとんどは長年の使用による配管の「劣化」や「汚れの蓄積による詰まり」が原因です。特にゴボゴボという音は、排水管内で空気がうまく抜けず、水と一緒に空気が引き込まれたり押し出されたりする際に発生します。これが原因で排水トラップの封水が引っ張られて無くなってしまうと、強烈な悪臭が部屋に充満することになります。

ただし、異音と異臭では発生場所や状況によって原因が異なり、複数の問題が絡み合っていることも少なくありません。工事のプロであっても外から見ただけでは判断が難しいケースが多いため、専門業者は設計図面を確認しながら、「内視鏡カメラ」などを配管内に挿入して精密な劣化調査と原因特定を行います。

各家庭でできる対処法、解決策は?

マンションの排水設備は全体でつながっているため、異音や異臭、水の流れの悪さは「自分の部屋だけの問題ではない」ことが多いです。それを踏まえた上で、各家庭で取れる対応策を3つご紹介します。

1. 市販のクリーナー等で排水管を掃除する

まずは、ご自身の住戸内の排水口(専有部)に近い部分の汚れを疑います。40〜50度程度のぬるま湯を多めに流し込んだり、市販のパイプクリーナー(洗浄剤)を使用したりして、自分で排水管の汚れを取り除いてみましょう。軽度の詰まりであれば、これで解決する場合もあります。

2. 個人向け水道設備業者に連絡する(注意が必要)

テレビCMやマグネット広告などでおなじみの「緊急対応の水道業者」を呼ぶ方法ですが、マンションの場合はあまりおすすめできません。 なぜなら、マンションの給排水設備は「専有部(個人の責任範囲)」と「共用部(マンション全体の責任範囲)」に分かれており、個人向けの水道業者は原則として「専有部」の範囲しか作業・修理ができないためです。 共用部の縦管などに原因があった場合、高い費用を払って専有部の清掃をしても根本的な解決には至りません。(※専門機材を使用して一定の効果が出るケースもありますが、原因の切り分けにとどまることが多いです)

3. 【推奨】管理組合に相談する

マンションにお住まいの場合、トラブルが起きたら真っ先に「管理組合(または管理会社)」に相談することを強くおすすめします。 「うちだけでなく、上の階や下の階でも同じ症状が出ているかもしれない」という視点を持つことが重要です。トラブルの情報を共有することで、他の居住者の状況も分かり、マンション全体の問題としてスピーディな原因究明と解決に繋がります。 すぐに管理会社や業者へお任せするのではなく、理事会や住民の皆様が設備の仕組みをある程度理解した上で、主体的に対応を検討していくことが大切です。

放置するとどうなる?考えられる3つの二次被害

「ただ音が鳴っているだけだから」「少し臭うだけだから」と、ゴボゴボ音や悪臭を放置するのは非常に危険です。これらは排水管が発している「SOSのサイン」であり、見て見ぬふりをすると、以下のような深刻な二次被害を引き起こす可能性があります。

1. 階下への漏水事故(賠償問題への発展)

排水管の詰まりが進行すると、行き場を失った水が排水口から逆流し、室内に溢れ出ることがあります。マンションの場合、溢れた水が床下に浸水すると、下の階の天井や壁を濡らす「漏水事故」に直結します。家電や家具への被害など、高額な損害賠償問題に発展するケースも少なくありません。

2. 害虫(チョウバエなど)の大量発生

下水のような悪臭が上がってきているということは、臭いを防ぐための「排水トラップ(封水)」が機能していない、または配管のつなぎ目に隙間ができている証拠です。この状態を放置すると、臭いだけでなく、下水道からチョウバエ(コバエの一種)やゴキブリなどの害虫が室内に侵入し、衛生環境が著しく悪化してしまいます。

3. マンション全体の大規模な配管詰まり

前述の通り、マンションの排水管は上下階で繋がっています。自分の部屋の排水口の不具合だと思っていたら、実はマンション全体が使う「共用の縦管」が詰まりかけていた、というケースもあります。これを放置すると、ある日突然、複数の部屋で一斉に汚水が逆流するなどの大惨事を引き起こし、緊急の大規模工事が必要になる恐れがあります。

見落としがちな第4の排水管「通気管」

マンションの排水トラブルにおいて、実は「専門家」でも見落としがちな原因があります。それが第4の排水管とも言える「通気管」の劣化です。

通気管(通気金物)とは?

通気管は、最上階の縦の排水管からさらに上へ伸び、屋上の屋根を突き抜けて設置されている設備です。 排水管内にスムーズに水を流すためには、適切な空気の通り道が必要です。通気管はこの「空気の取り込み口」として非常に重要な役割を担っています。しかし、ここは水が通らないため、定期的な高圧洗浄などの対象外となり「劣化」が見過ごされがちになります。

この「通気管」や屋上にある「通気金物」が経年劣化でサビて塞がったり、穴が空いたりすると、配管内の気圧バランスが崩れ、排水口からの「ゴボゴボ音」や悪臭の直接的な原因になります。

トラブルの直接的な原因が他にあった場合でも、屋上の通気管は過酷な環境に晒されているため、早めの点検とメンテナンスをおすすめします。劣化を放置すると、最終的に屋上の防水層を壊して大掛かりな交換工事が必要になり、莫大なコストがかかる恐れがあります。

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マンション排水管のゴボゴボ音・臭い対策ならサンコウ設備へ

本記事では、マンションの排水管から異音や悪臭がする原因と、その仕組み、解決策について解説しました。 マンションの排水トラブルは、個人の問題にとどまらず、建物全体の構造や共用部の劣化が関わっているケースが多々あります。まずは管理組合で情報を共有し、専門家による確かな調査を行うことが重要です。

サンコウ設備では、内視鏡カメラを用いた排水管内の正確な劣化調査から、共用部の工事、見落としがちな屋上通気管の補修まで、マンション特有の設備事情に精通したプロフェッショナルが最適な解決策をご提案いたします。 排水設備の異音・悪臭や、大規模修繕に向けた設備調査でお困りの管理組合様は、ぜひお気軽にご相談ください。

マンションの排水トラブルに関するよくある質問

Q 排水口からゴボゴボ音がした時、絶対にやってはいけないことは?
A

大量の水を一気に流し込んだり、無理にワイヤーなどで押し込もうとすることは避けてください。 詰まりかけている配管に大量の水を流すと、行き場を失った水が室内に逆流・氾濫する危険があります。また、配管の構造を把握していない状態で強力なワイヤーブラシなどを無理に押し込むと、経年劣化している塩ビ管を突き破って破損させたり、つなぎ目を外してしまったりする恐れがあります。まずは少量ずつ水を流して状況を確認し、改善しない場合は速やかに管理組合へご相談ください。

Q 排水トラップの『封水(ふうすい)』が切れて臭う場合、自分で水を足してもいいですか?
A

はい、まずはコップ1杯程度の水をゆっくり足してみてください。 長期間家を空けていた場合など、単なる蒸発による「封水切れ」であれば、水を足すだけでフタの役割が復活し、すぐに悪臭は収まります。しかし、「水を足しても、ゴボゴボという音とともに水が吸い込まれてすぐに無くなってしまう」といった場合は、通気管の異常など配管内の気圧バランスが崩れているサインです。この場合は根本的な調査が必要です。

Q ディスポーザー(生ごみ粉砕機)を使っていると詰まりやすいですか?
A

正しく使用・手入れをしていないと、通常の排水管よりも詰まりやすくなる傾向があります。 細かく粉砕された生ごみは、油汚れと混ざることで配管内にヘドロ状になって蓄積しやすくなります。ディスポーザーを使用する際は、取扱説明書に従って「十分な量の水と一緒に流す(使用後もしばらく水を流し続ける)」ことが非常に重要です。また、定期的な氷を使った洗浄や、マンション全体で実施される高圧洗浄のメンテナンスを欠かさず受けるようにしてください。

この記事の監修者
株式会社サンコウ設備 代表取締役 浅川 浩一
株式会社サンコウ設備 代表取締役 浅川 浩一

平成7年の設立以来、30年にわたり給排水設備を中心としたインフラ工事に携わる。これまでに30,000件以上の工事実績を持ち、現場で積み上げた確かなノウハウが強み。

大手建築会社などの仲介業者を通さず、自社で直接ご提案から施工までを行う「工事直販」のスタイルにこだわり、多くの管理組合様やビルオーナー様から厚い信頼を寄せていただいている。

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