もっと知りたい「今週のキーワード」
マンション地下 ビルピット 排水槽 建物老朽化
公開日:2023/10/22

マンションやビルには、地下に「ビルピット」と呼ばれる空間が作られている場合があります。
「ビルピット」の目的は様々ありますが、主に「排水管などを修理・交換するための作業スペース」や「排水槽」などがあり、住民の方はほとんど意識することなく生活している設備です。
目次
◯どんなマンションにも「地下」があるの?
◯「ビルピット」ってなに?
◯「ビルピット」内の排水はどのような仕組みになっている?
今週のもっと知りタイム
「ビルビット」でわかる「建物の健康状態」
どんなマンションにも「地下」があるの?
一戸建て住宅にも「床下」があるように、殆どの場合マンションにも「地下」が作られています。
設置目的はマンションにより異なります。ひとつは「駐車場」や「店舗」「事務所」などマンション住民も認識している「地下施設」です。また「電気系統やポンプの機械室」「保守点検用配管設備」など、普段の生活では意識しない「建物の管理」のために作られた施設も地下に設置されていることもあります。
この地下空間にはさまざまな種類の配管やがむき出しになって設置されており、専門の業者が「詰まり」などの不具合を点検・確認できるようになっています。
地中に埋まった配管を掘り起こして点検するより、効率的なメンテナンスができます。
「ビルピット」ってなに?
マンションやビルの地下に部屋(住居や店舗など)がある場合、トイレ等の排水設備は下水道管より低い位置にあるため、排水を自然流下で排水することができません。
そのため、地下部分で発生した排水を一度「排水槽」に溜めて揚水ポンプでくみ上げてから下水道に排除しています。
主に設備業界において「ビルピット」と呼ばれているマンションの地下室の設備は、主に汚水槽を含む「地下排水設備」のことを指します。
「ビルピット」内の排水はどのような仕組みになっている?
ビルビット内の排水経路は、汚水を溜める「汚水槽」と雨水や雑排水を処理する2つの系統があります。
このように行政もその管理に関して情報を詳しく発信している程課題のある施設ということが言えますが、やはり定期的に点検・保守を行わなければならないのは、地下の悪条件の中で常時作動し早く劣化が進む揚水ポンプでしょう。
特に「地下汚水槽」の揚水ポンプの動作不良は、近隣も巻き込む異臭等の環境悪化になりますので、管理が重要な設備となります。
当然、法律でも6ヶ月に1度の清掃義務※1、が義務付けられていますし、東京都では4ヶ月に1度※2の清掃を推奨しています。
ポンプの設備があるマンションは、できれば1ヶ月に1度の点検で状況を把握して清掃やポンプの修理の判断をするとよいでしょう。
※1 (参照)国土技術政策総合研究所
https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0607pdf/ks060707.pdf
★★★もっと知りタイム★★★
「ビルビット」でわかる「建物の健康状態」


住民の方は普段ほとんど意識していない「ビルピット」ですが、排水の設備がなくてもこの空間に水が溜まってしまいマンションの機能に大きな影響を及ぼすこともあります。
近年では、武蔵小杉の高層マンションが豪雨に見舞われ被害を出した例が記憶に新しいところです。
排水設備や配管保守のための地下ピットですが、コンクリートがむき出しになっており、建物の基礎部分にありますので、建物の劣化がよく分かる場所でもあります。
管理会社や業者に定期的に中の状況を調べてもらい、建物の老朽化などの指標にして大規模修繕計画に役立てると良いと思います。
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