マンション排水の悪臭・ゴボゴボ音は屋上通気管が原因?役割と大規模修繕での補修を解説

公開日: 2023/07/31  / 更新日: 2026/06/18

屋上の通気管

マンションの屋上を見上げたとき、床から「きのこ」のような形をして飛び出している管を見たことはありませんか?これが「屋上通気管(通気金物)」と呼ばれるマンションの排水設備の一部です。

普段は住民の目につく機会もなく、あまり話題にもならない地味な設備ですが、実はマンション全体の排水をスムーズに行うための極めて重要な役割を担っています。「洗面所の水はけが悪い」「排水口からゴボゴボ音がする」「下水のような悪臭がする」といったトラブルは、専有部の配管詰まりだけでなく、この屋上通気管の老朽化が原因となっているケースが少なくありません。

この記事では、見落とされがちな「屋上通気管」の役割と老朽化によるリスク、そして2回目の大規模修繕工事の費用を劇的に抑えるための「補修・再生」のメリットについて解説します。

アイコンこの記事のポイント

この記事では、マンションの「屋上通気管(金物)」の重要性と老朽化対策について解説しています。おさえておきたい主なポイントは以下の通りです。

【通気管の役割は「空気の取り込み」】

排水管内に空気を取り入れることで、各部屋の生活排水をスムーズに下水へ流す役割を担っています(醤油差しの穴と同じ原理です)。

【老朽化が「悪臭」や「ゴボゴボ音」の原因に】

過酷な環境によりサビが発生すると、管に穴が空いて悪臭が漏れたり、剥がれ落ちたサビ粉が排水管を詰まらせて異音や排水不良を引き起こしたりします。

【交換(更新工事)には莫大な費用がかかる】

通気管を丸ごと新しいものに交換するには、屋上の防水層やコンクリートを壊す必要があるため、大掛かりな工事と多額の費用が発生します。

【「補修・再生」で寿命を延ばしコスト削減】

サビが進行して手遅れになる前に、内部を研磨・コーティングして「再生」させることで、大掛かりな更新工事を回避し、大規模修繕費用を大幅に抑えることができます。

屋上通気菅

屋上にある「通気金物(通気管)」の役割はナニ?

醤油差しの原理

マンションの排水トラブルと聞くと、キッチンや浴室の床下を通る「排水管そのもの」の老朽化や詰まりが注目されがちです。
しかし、各部屋から流れ出た生活排水を集める縦の排水管(立て管)は、実は最上階の部屋からさらに上へ、屋上の壁を突き抜けて設置されています。その先端についているのが「屋上通気管」です。

なぜ排水管が屋上まで繋がっているかというと、スムーズに水を下へ流すための「空気」を取り入れるためです。
身近な例で言えば、お弁当に入っている「醤油差し」の原理とまったく同じです。醤油差しには、醤油が出る穴とは反対側にもう一つ小さな穴(空気穴)が空いており、その空気穴を指で塞ぐと醤油は出てきません。マンションの排水設備においても、この「通気管」が空気穴の役割を果たしており、これがないと水がスムーズに流れなくなってしまうのです。

通気管が老朽化すると、どのような問題がおきるの?

この設備は一般的に「屋上通気管」または「屋上通気金物」と呼ばれます。管の内部を水が流れるわけではありませんが、屋上の過酷な天候(雨風や直射日光)に晒され、内部は生活排水から立ち上る湿気や硫化水素などのガス(蒸気)を直接受けるため、通常の配管よりも劣化が著しく早く進行します。

劣化した通気管1

劣化した通気管2

劣化した通気管3

老朽化の主な原因は「サビ」による腐食です。鋳鉄などの素材が使われていることが多く、設置環境の特性上、サビの発生を完全に防ぐことは困難です。
サビによる腐食が進行すると、マンションに以下のようなトラブルを引き起こします。

  • 悪臭の発生: サビによって管に穿孔(穴が空くこと)が生じ、そこから下水の強烈な悪臭が屋上や最上階周辺に漏れ出します。
  • ゴボゴボ音と排水不良: 劣化したサビの塊(サビ粉)が縦の排水管へとポロポロと落下し、配管の底や曲がり角で堆積します。これにより気圧バランスが崩れ、洗面所やキッチンから「ゴボゴボ」という異音がしたり、水の流れが悪くなったりします。

もし各部屋の排水口を掃除してもゴボゴボ音が解消しない場合は、屋上の通気管の不具合が原因の一つとして疑われます。

なぜ、今まで通気管の補修工事は「後回し」にされてきたの?

排水トラブルの大きな原因となるにもかかわらず、なぜこの「屋上通気金物」はこれまで補修の対象として話題に上りにくかったのでしょうか。

最大の理由は、水が直接通らないため「目に見える漏水事故」が起きにくく、屋上という普段は誰も立ち入らない場所にあるため、劣化が放置されやすいからです。これまでは、耐用年数(約20年〜30年)を迎えた際に、大規模修繕工事の一環として排水管と一緒に「丸ごと交換(更新)」するケースがほとんどでした。

交換(更新)には「屋上防水を壊す」大掛かりな工事が必要

屋上の工事

防水層の破壊

交換作業

しかし、屋上通気金物を「交換(更新)」しようとすると、大きな問題に直面します。
通気管は屋上のコンクリートや防水層を貫通して設置されているため、交換するには屋根の一部を壊し、新しい管を通した後に再び厳重な防水加工(アスファルト防水など)を施すという、非常に大掛かりな工事が必要になるのです。
これには莫大な費用と工期がかかるため、「まだ何とかなるだろう」と見て見ぬふりをされ、2回目の大規模修繕工事(築20〜25年)のタイミングまで先送りされてしまうのが実情でした。

大規模修繕を劇的に安くする「補修・再生」という選択肢

補修前の通気管

補修後の通気管

そこで現在注目されているのが、老朽化した通気管を壊して「更新」するのではなく、内部を綺麗にコーティングして「補修・再生」させ、寿命を大きく延ばすという工法です。サビによる腐食で完全に穴が空き、強度が失われてしまう「前」に行うことで、計り知れないメリットをもたらします。

メリット1:排水トラブルを未然に防ぎ、寿命を延ばす

専用の機材で管の内部のサビを綺麗に研磨して削り落とし、その上から防食性の高い特殊な樹脂塗料でコーティングを施します。これにより、サビの進行とサビ粉の落下を食い止め、通気管の寿命を10年以上延ばすことができます。

メリット2:屋上を壊さず、大規模修繕費用を大幅に削減

既存の管を活かして内部から補修するため、屋上のコンクリートや防水層を壊す必要が一切ありません。
これは、人間の歯に例えるなら「虫歯を早い段階で治療して、歯を抜かずに済ませること」とよく似ています。手遅れになってインプラント(交換)にするよりも、早期の治療(補修)の方が、費用も時間もストレスも圧倒的に少なく済みます。
さらに、外壁塗装などの大規模修繕工事で足場を組むタイミングに合わせて「ついでに」この補修工事を行えば、足場代も節約でき、マンションの修繕積立金を大幅に防衛する賢い選択となります。

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【まとめ】見落としがちな通気管の調査はサンコウ設備へ

洗面所やキッチンからのゴボゴボ音や悪臭は、排水管そのものの詰まりだけでなく、屋上の「通気管」が悲鳴を上げているサインかもしれません。完全に穴が空いて屋上を壊す大工事が必要になる前に、早めの点検と「再生工事」を検討することが、管理組合の予算を守る最大のポイントです。

サンコウ設備では、マンションの給排水設備や通気管の劣化状況を正確に調査し、屋上を壊さずに寿命を延ばす画期的な延命サービス(サビトリックなど)をご提案しております。大規模修繕工事を控えている管理組合様からのご相談や、現地調査・お見積もりは無料です。ぜひお気軽にお問い合わせください。

マンション通気管(通気金物)に関するよくある質問

Q 自分の部屋のゴボゴボ音が通気管のせいかどうか、見分ける方法はありますか?
A

まずは、ご自身の部屋の排水トラップや排水口の掃除(パイプクリーナーの使用など)を試してみてください。それでもゴボゴボという異音が解消しない場合や、上下の階の住民からも同様の症状が出ている場合は、マンション全体の気圧バランスを司る「屋上通気管」の異常、あるいは縦の共用排水管の詰まりが疑われます。管理組合へ相談し、専門業者による調査を依頼しましょう。

Q 通気管の「補修・再生工事」は、築何年くらいで行うのがベストですか?
A

一般的に、築15年〜20年前後が補修の最適なタイミングとされています。サビが進行しすぎて管自体に大きな穴が空いてしまったり、強度が失われてボロボロになってしまったりすると、コーティングによる「再生」ができず、高額な「交換(更新)」しか選択肢がなくなってしまいます。1回目の大規模修繕工事〜2回目の手前での調査をおすすめします。

Q 防水業者に外壁や屋上の修繕を頼むついでに、通気管の補修もお願いできますか?
A

一般的な防水業者や塗装業者は「配管設備」の専門知識を持たないため、通気管内部のサビ取りや特殊コーティングといった設備工事には対応できないことがほとんどです。外壁工事で足場を組むタイミングに合わせて、設備専門の業者(管工事業者)を個別に入れて同時進行させるのが、最もコストパフォーマンスの高い進め方です。

この記事の監修者
株式会社サンコウ設備 代表取締役 浅川 浩一
株式会社サンコウ設備 代表取締役 浅川 浩一

平成7年の設立以来、30年にわたり給排水設備を中心としたインフラ工事に携わる。これまでに30,000件以上の工事実績を持ち、現場で積み上げた確かなノウハウが強み。

大手建築会社などの仲介業者を通さず、自社で直接ご提案から施工までを行う「工事直販」のスタイルにこだわり、多くの管理組合様やビルオーナー様から厚い信頼を寄せていただいている。

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