もっと知りたい「今週のキーワード」
排水管トラブル 悪臭 通気管 屋上通気金物 2回目大規模修繕工事
公開日:2023/07/31

マンション屋上から飛び出した「通気管」をご存知ですか?いくつか種類がありますが、屋上から「きのこ」のような形をして飛び出している管が、その「屋上通気金物」です。
これは、「マンション排水設備」のひとつで、普段は目にする機会もなくあまり話題にもならない水道設備なのですが、実は重要な役割をしています。いったいどのような役割をしているのでしょうか?
目次
◯屋上にある「通気金物」の役割はナニ?
◯通気管(屋上通気金物)が老朽化すると、どのような問題がおきるの?
◯なぜ、いままで「屋上通気管(空気金物)」の補修工事が行われてこなかったの?
今週のもっと知りタイム
老朽化した通気管を「更新・更生」をせずに「補修」して再生し、寿命を延ばすという選択
屋上にある「通気金物」の役割はナニ?
マンションの排水設備は、生活排水の流れる「排水管そのもの」の老朽化が注目されがちですが、実は排水管の先は最上階の部屋から屋上の壁を突き抜けてつながっており、「屋上の通気管」から空気を取り入れて流れる仕組みになっています。
ちょうど、醤油さしの穴が2つある原理と一緒です。反対側の穴が通気管の役割だと考えて下さい。片方の穴を塞ぐと醤油は出てこない現象と同じように、マンションの排水設備では「通気管」は重要な役割をしているのです。
通気管(屋上通気金物)が老朽化すると、どのような問題がおきるの?
この設備は一般的に「屋上通気管(金物)」と呼ばれ、管の内部に「水」は流れませんが、生活排水からの蒸気や屋上の天候の影響を直接受けるため、劣化は早く進行します。
老朽化のほとんど原因は「サビ」によるものなので、利用されている素材の関係で防止することは困難です。
「サビ」は通気管を腐食して「穿孔(穴があく)」を起こし「悪臭」の原因になるだけではなく、「サビ粉」が溜まったり排水管に落ちることで、「排水不良」を起こすこともあります。
洗面所が「ゴボゴボ」と音をたてて流れにくくなる症状が出た時に、排水管の詰まりでない場合は、通気管の不具合が原因の一つとして考えられます。
なぜ、いままで「屋上通気管(空気金物)」の補修工事が行われてこなかったの?
では、今までなぜこの「屋上通気金物」が補修の対象として話題に上らなかったのかと言うと、基本的に「空気の通り道」なのでこの部分が劣化しても「漏水」など目に見えるトラブルが起きにくいことや、屋上という普段あまり目にしない設備だからでしょう。
今までは、耐用年数を目安に排水管と一緒に「更新」するケースがほとんどでした。
しかし、「屋上通気金物」の修繕工事において一番大きな問題は、老朽化が進んで「交換(更新)」をするためには、屋上の屋根を壊して防水加工等を行い、通気金物再び元の状態に戻すための大掛かりな工事が必要となることです。
なので劣化が進んでいてもある程度まではそのままで放置をして、2回目の大規模修繕工事のタイミング(20〜25年)に、排水設備全体の更新工事として行うことがほとんどでした。
★排水管の長寿命化が実現する工事「サビトリック」
★★★もっと知りタイム★★★
老朽化した通気管を「更新・更生」をせずに「補修」して再生し、寿命を延ばすという選択


サビによる腐食や穿孔(穴が空く)が進む前に「補修・再生工事」をすることで、大きなメリットがあることは意外と知られていません。
メリットのひとつは、通気管の寿命が伸びて排水トラブルを予防できることです。屋上通気金物の設置環境上、完全にサビを防ぐことは不可能ですが、サビを削った後にサビが出にくい処理を施すことで、通気管の寿命を大きく伸ばすことができます。
そしてもう一つの大きなメリットは、「屋上通気金物」を補修しておくことで、大規模修繕工事の費用を安く抑えることができる点です。
「屋上通気金物」を「更新」をせずに「補修して再生」させる工事は、「むし歯」を早い段階で治療して、抜かずに済ませることと似ています。トータルでかかる治療費だけではなく、通院の時間や治療のストレスなどは、屋上通気金物の補修工事と非常によく似ています。
通気管が老朽化で手がつけられなくなる前にサビをとり、防水塗料で通気管を再生させれば、排水設備の更新時に屋上の大掛かりな工事を行わずに済みますし、低コストで長寿命化された設備も無駄にならない賢い選択と言えるでしょう。
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