2024年区分所有法改正のポイント。決議要件緩和と合意形成

公開日:2024年12月01日

近年、老朽化するマンションの急増に加え、住民の高齢化も進行しています。この状況の中で、建物の修繕や設備の改修工事において、住民間での合意形成が難しくなるケースが増えています。
こうした課題に対応するため、2024年にマンション区分所有法が改正され、必要な工事を迅速に進められる環境整備が進められました。
この改正は、管理組合の役割と責任を再定義し、住民と管理組合の連携を強化するものです。

マンション区分所有法とはどんな法律?

マンション区分所有法とはは、分譲マンションにおける区分所有者(各住戸の所有者)や管理組合の権利・義務、および共用部分の管理や利用に関するルールを定めた法律です。

主に次の内容が定められています。 ●区分所有の権利と義務●共用部分の定義と管理●管理組合の設置と役割●規約の制定●集会(総会)の開催●修繕と建て替えのルール

この法律は、住民間のトラブル防止や居住環境の維持、マンション運営の円滑化を目的に、1962年に制定され、1983年に大幅改正されました。2024年の改正では、老朽化したマンションや高齢化社会への対応を視野に入れた重要な変更が加えられました。

今年(2024年)に改正された内容のポイントは?

もっとも大きなポイントは「集会決議の円滑化」を進めるために、所在が不明、または集会に参加せず賛否も明らかにしない区分所有者は、決議の母数から除外されるようになり「出席者の多数決」による決議が可能となったことです。

さらに議決に関しても多数決の要件が緩和されました。共用部分の工事や耐震性強化のための工事など一定の要件を満たす場合、決議の多数決要件が4分の3以上から「過半数」になり、迅速な工事が進められるようになりました。

つまり、意思決定の場に出席した人数の過半数が管理組合の案に賛成すれば、工事の実施が可能になったので、工事が迅速かつ円滑に進めやすくなったと言えます。

背景としては、老朽化するマンションの急増と高齢化社会への対応があり、管理組合の運営効率化を促進する狙いがあると言われています。

マンション区分所有法の改正により管理組合の活動にどのような影響がでますか?

2024年の改正により、所在不明所有者への対応や建て替え要件の緩和が追加されたことで、老朽化マンションや高齢化社会への対応が強化されています。

これらの改正により、管理組合の活動や意思決定に以下の影響があると考えられます。

❶意思決定の迅速化

多数決要件の緩和や所在不明所有者への対応策により、重要な決議が迅速に行えるようになります。

❷老朽化対策の推進

建て替えや大規模修繕の決議が容易になり、老朽化したマンションの再生が進みやすくなります。

❸高齢者対応の強化

バリアフリー化の推進や運営効率化により、高齢化が進むマンションでも適切な管理が期待できます。

もっと知りタイム

住民の最大公約数の利益を実現するための合意形成の手段とは?

区分所有法の改正により管理組合の裁量が大きくなったことで、円滑な意思決定ができるようになりました。

そこで設備長寿命化や耐震対策、バリアフリー化の推進などの工事が進めやすくなりましたが、逆に慎重な住民との合意形成や配慮のある事案の進め方が必要になると思われます。

そのためには、住民との信頼関係を築き、スムーズな意思疎通が重要となり、円滑なコミュニケーションをとるための工夫や施策が必要になります。

具体的には、掲示板やメールを活用した小まめな情報発信が基本となります。その際は年輩の住民に配慮したアナログの手段も考慮しましょう。

また、定期的な総会だけではなく、住民と季節イベント(夏祭り、クリスマス会など)など懇談会を実施し、日常的な課題や要望を聞きくことでリアルなコミュニケーションの土台を作ることも重要です。

関連記事

ご相談・お見積もり無料

お問い合わせだけでもOK!
お気軽にご連絡ください。

電話(無料通話)
0800-800-7388
受付時間
9:00~18:00
平日