公開日: 2024/11/14 / 更新日: 2026/06/18

マンションの老朽化問題と、地震などの災害対策は密接に関連しています。
建物や設備の老朽化は、一般的に長期修繕計画に基づいて対応されますが、建築年代や老朽化の進行度によっては、計画通りに修繕を進めたとしても「耐震性」や「災害時の設備保全」が十分とは限りません。
特に、私たちの生活に欠かせない「水道設備(ライフライン)」が地震によって破損すると、深刻な断水や漏水事故を引き起こし、日常生活が困難になってしまいます。
この記事では、マンションの耐震対策がなかなか進まない現状とその理由(予算不足や高齢化など)を紐解きながら、災害時に被害を最小限に抑え、水道設備を守るための具体的な対策について詳しく解説します。
目次
この記事のポイント
この記事では、マンションの耐震対策の現状と、水道設備を守るための解決策を解説しています。おさえておきたい主なポイントは以下の通りです。
【旧耐震基準のマンションは要注意】
国内のマンションの約6.3棟に1棟が耐震性に不安を抱えており、特に1981年以前の「旧耐震基準」で建てられた物件は早急な対策が必要です。
【対策が進まない3つの壁】
「修繕予算の不足」「管理組合の高齢化」「震災意識の低さ」が原因で、問題が先送りされ、必要な合意形成が妨げられています。
【水道設備を守る4つの具体策】
建物の耐震補強だけでなく、「配管等の耐震化(フレキシブル継手など)」「緊急時の自動停止装置の導入」「定期点検とメンテナンス」がライフライン維持の鍵となります。
【高齢化問題への対応】
問題を放置せず、専門家を交えて客観的なリスク(断水時の生活への影響など)を共有し、早期に修繕計画を見直すことが重要です。

マンションの耐震対策の現状はどうなっているの?

国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」によれば、国内のマンションの約6.3棟に1棟が耐震性に不安を抱えているという厳しい現状が明らかになっています。
現在の耐震基準は1981年6月に改正された建築基準法に基づいており、それ以前に建てられた建物は「旧耐震基準」として分類されます。
国土交通省の最新のデータによると、築40年以上のマンションは約148万戸に達し、その多くが旧耐震基準に該当します。さらに、物件全体の約2割が旧耐震基準のままであり、新耐震基準による診断すら受けていない物件は全体の1割以上を占めています。
景気悪化を背景に中古マンションを選ぶ人が増えている昨今、購入者には価格や間取りだけでなく、耐震性や設備管理の状況に注意を払うことが強く求められています。
マンションの地震に対する備えが進まないのはなぜ?
調査では、耐震診断を受けた建物の約15.9%が「耐震性に問題あり」とされているにもかかわらず、マンション全体の3棟に2棟では、老朽化対策や耐震補強についての話し合いが住民の間で十分に行われていません。
その背景には、マンション特有の以下のような「3つの要因(壁)」が挙げられます。
1. 予算不足(修繕積立金の不足)
耐震補強や設備更新には多額の費用がかかります。近年の建築資材や人件費の高騰、さらには当初の長期修繕計画の甘さによって「修繕積立金」が慢性的に不足しており、新たな対策に踏み出せない管理組合が多数存在します。
2. 管理組合の高齢化による「先送り」
管理組合の高齢化は、老朽化や耐震対策の議論を妨げる大きな要因です。
データによると、管理組合役員の約70%が50歳以上であり、1979年以前に建設された物件では役員の1割が80歳以上を占めています。高齢化が進むことで、多額の費用と労力がかかる大規模な修繕工事に対する意欲が低下し、「自分の代では大きな決定を避けたい」と問題を先送りしてしまう傾向が指摘されています。
3. 震災意識の低さ(差し迫った危機感の欠如)
外壁の剥がれや漏水などの「目に見える被害」がない限り、地震に対する危機感は薄れがちです。住民間で「本当に今やる必要があるのか?」という意識のズレが生じ、合意形成が難航する原因となっています。
もしもの時に「水道設備」を守るための4つの具体策
マンションの「老朽化」や「地震」に対して、入居者の命と生活を支えるライフラインである「水道設備」を守るためには、ただ建物を補強するだけでなく、設備そのものへの対策が必要です。
1. 建物とポンプ室の「耐震補強」

まずは、配管や機器を収めている「建物自体」を耐震補強し、揺れによる建物の変形(層間変位)を抑えることが大前提です。
特に、屋上の高架水槽や地下の受水槽、増圧ポンプなどが設置されているスペースの基礎や支持部材を強固にすることで、設備本体の転倒や破損を防ぎます。
2. 配管等水道設備の「耐震化(フレキシブル継手など)」

地震の強い揺れにより、金属製の硬い配管はつなぎ目から折れたり抜けたりしやすくなります。
これを防ぐため、地震の揺れを吸収する「フレキシブル継手」や「可とう性(柔軟性)のある配管材(樹脂管など)」への交換が有効です。また、配管を固定する支持金具も耐震仕様のものへ変更し、損傷を最小限に抑える工夫が必要です。
※画像はNHK知ってトク東北より引用
https://www.nhk.or.jp/sendai-blog/update/490404.html
3. 緊急時の「自動停止装置」の導入

万が一配管が破損してしまった場合に備え、二次被害(大規模な漏水による電気設備のショートや階下浸水)を防ぐ対策も重要です。
地震の揺れ(設定した震度以上)を感知した際に、自動的に給水ポンプを停止させたり、バルブを遮断したりする「感震遮断装置」を導入することで、被害の拡大を自動で防ぐことができます。
4. 定期点検と老朽化配管の「更新(メンテナンス)」
どんなに耐震補強をしても、配管自体がサビて薄くなっていれば、少しの揺れで簡単に破裂してしまいます。
老朽化によるリスクを軽減するためには、内視鏡カメラなどを用いた定期的な点検が不可欠です。劣化が著しい配管は、穴が開く前にサビや地震に強い新しい材質の管へ交換(更新工事)することを計画的に進めましょう。
【まとめ】耐震・老朽化対策のご相談はサンコウ設備へ
マンションの耐震対策や水道設備の老朽化問題は、「予算」や「住民の高齢化」といった壁により、合意形成が難航しがちです。しかし、対策を先送りにして実際に災害が起きてからでは、被害の復旧に莫大な時間と費用がかかり、その間の生活基盤が失われてしまいます。
東京・埼玉エリアで給排水設備の改修実績を豊富に持つサンコウ設備では、現状の設備の劣化状況を専門家の目で正確に調査し、無理のない最適な修繕・耐震化プランをご提案いたします。「今の配管が地震に耐えられるか不安」「長期修繕計画のセカンドオピニオンが欲しい」といった管理組合様からのご相談や、現地調査・お見積もりは無料です。万が一の災害からマンションのライフラインを守るために、ぜひお気軽にお問い合わせください。
マンションの耐震・老朽化対策に関するよくある質問
Q 旧耐震基準のマンションに住んでいますが、すぐに水道管が壊れるのでしょうか?
すぐに壊れるわけではありませんが、築40年を超えている場合、配管内部の腐食(サビ)が進行し、強度が落ちている可能性が高いです。その状態で大きな地震の揺れが加わると、配管のつなぎ目から折れたり、水漏れを引き起こすリスクが新築物件より格段に高くなります。早急な劣化診断をおすすめします。
Q 修繕積立金が不足していますが、設備の耐震化は可能ですか?
すべてを一新するのが難しい場合でも、優先順位をつけて部分的に耐震化することは可能です。例えば、最も被害が大きくなりやすいポンプ室周辺の配管にフレキシブル継手を導入したり、感震遮断装置を取り付けたりするだけでも、二次被害を防ぐ大きな効果があります。予算に合わせた段階的なプランをご提案します。
Q 管理組合で耐震対策の話し合いを始めるにはどうすればいいですか?
まずは「現状を正しく知る」ことから始めましょう。専門業者に配管の内視鏡調査などを依頼し、写真や映像で劣化状況を「見える化」することが重要です。その客観的なデータをもとに住民説明会を開き、「このまま放置すると地震時にどれほどの被害と追加費用が出るか」を共有することが、合意形成への第一歩となります。

平成7年の設立以来、30年にわたり給排水設備を中心としたインフラ工事に携わる。これまでに30,000件以上の工事実績を持ち、現場で積み上げた確かなノウハウが強み。
大手建築会社などの仲介業者を通さず、自社で直接ご提案から施工までを行う「工事直販」のスタイルにこだわり、多くの管理組合様やビルオーナー様から厚い信頼を寄せていただいている。




















