もっと知りたい「今週のキーワード」
マンション排水管老朽化 漏水対応 排水管劣化調査
公開日:2024/10/14

マンションの排水設備が老朽化すると、漏水などの目に見える大きなトラブルだけでなく、悪臭や排水不良、さらには害獣や害虫の発生といった衛生問題など、さまざまな問題を引き起こします。これらの問題が顕在化してからの対応は、コストや衛生面に加え、隣人との関係にも悪影響を及ぼし、住環境全体に大きな影響を与えることになります。
「事故が起こる前に対策を講じるべきだ」と言うのは簡単ですが、排水設備の交換時期や改修の規模を判断するのは、専門家でも難しいことがあります。
目次
◯マンション排水管の交換はいつ行うのが良いの?
◯マンションによって排水設備は違うの?
◯排水管の漏水事故が起きた時にはどんな対策工事をするの?
今週のもっと知りタイム
マンション排水トラブルの対応力は、工事施工会社の「腕の見せ所」
マンション排水管の交換はいつ行うのが良いの?
排水管の更新は一般的には次の3つのタイミングで行われます。
①排水管の寿命
排水管の素材や施工方法によって異なりますが、一般的に排水管の寿命は20~30年と言われています。特に古いマンションの場合、築年数が経つにつれて排水管の劣化が進むため定期的な点検が必要です。寿命が近づいている場合は、交換を検討するタイミングと言えます。
②漏水や詰まりの発生
排水管の劣化により、漏水や詰まりが発生することがあります。これらの問題が頻発するようであれば、修理ではなく排水管の交換を検討すべきです。放置すると大規模な修繕が必要になる可能性もあります。
③大規模修繕工事のタイミング
マンションでは定期的に大規模修繕工事が行われます。排水管の交換はこの大規模修繕工事と一緒に行うことで、コストを抑えることができる場合があります。他の設備の改修部分と合わせ、予算を考慮した形で大規模修繕のタイミングで工事をするのが最も効率的といえるでしょう。
マンションによって排水設備は違うの?
マンションの規模や設計方針などによって、排水設備の構造は変わります。一般的には、どのマンションでも「雨水」は屋上やベランダから建物の外壁の縦管を通り、そのまま公共ますへ引き込んで下水へ流します。※例外もあります。
ワンルームマンションなど、基本的に省スペースの設計の建物の場合、トイレの汚水やお風呂、洗面所、キッチンなどの雑排水も、上階から下まで伸びている縦管に合流をさせて下に排水しています。
一方、世帯数が多い大型のマンションやファミリータイプで部屋が多い作りの場合、汚水と雑排水を分けて地下ピットの「汚水ます」に一時的に溜め、汚水ポンプで吸い上げて公共ますを経由して、下水道に流し込む構造になっている場合があります。
しかしそれぞれのマンションの排水設備の設計のベースとなっているのは、その建物を管轄している自治体(地域)の汚水処理ルールです。近隣の下水道の状況や下水処理施設に合わせて作られているため、お住いのマンションがどのような方式で処理をされているかを一度調べておくとよいでしょう。
排水管の漏水事故が起きた時にはどんな対策工事をするの?
計画通りに水道設備のメンテナンスや更新が行われることは理想ですが、使用頻度や経年劣化により「悪臭」「漏水」「異音」などのトラブルが出てしまうと、早急に対応を迫られます。
特に専有部内での漏水事故は、原因となった部屋と被害を受けた部屋の住人同士で解決しなくてはならないので、費用や対策のスピードでトラブルとなるケースが多いようです。事故発生時、なるべく早い段階での、管理組合や管理会社も交えた「情報の共有」が重要となるでしょう。
漏水事故が起きた際の対策工事は、漏水の原因や規模によって異なります。部分修理から全面交換、ライニング工法まで様々な方法があり、いずれの場合も専門業者と連携し、早急に対応することが重要です。
日頃より管理組合内で、トラブル時の対応・対策などをまとめてマンション内で共有しておくことも重要なポイントといえるでしょう。
★★★もっと知りタイム★★★
マンション排水トラブルの対応力は、工事施工会社の「腕の見せ所」


マンション管理において、排水設備の漏水トラブル対応は、関係者の「対応力」が試される重要な場面です。被害に遭った住民にとって、生活環境が大きく悪化するため、迅速な対応が求められます。
このようなトラブルでは、「原因と場所の特定」「最適な工事の提案」「スピーディーな工事対応」「コストを抑えた工事費用の提示」といった点で、工事施工会社の技術と対応力が問われます。
今回の事例では、まず配管にテープを巻き、テストを繰り返しながら漏水箇所を特定しました。最初に疑われていた継手部分ではなく、直管部分の側面に広範囲の穴が開いていたことが確認されました。
調査から材料手配までを含め、1週間で工事を完了しましたが、その間にも複数の漏水箇所が確認されたため、数週間後にはその階全体の配管更新工事を実施しました。
住民と施工会社が直接コミュニケーションを取ることで、スムーズな対応とさらなる事故の予防が可能となった事例です。
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