もっと知りたい「今週のキーワード」
マンション排水管 更新工事 更生工事
公開日:2023/12/04

マンション排水管の老朽化は「漏水事故」の原因となり、費用面での損害だけではなく、住環境の悪化や住民同士のトラブルにも発展しかねない大きな問題です。事故を避けるためには定期的な「点検」はもちろん、早めのメンテナンスが重要です。
排水設備の改修工事にはいくつかの方法がありますが、「適切な時期」に「適切な方法」でメンテナンスを行うことが事故防止につながるだけでなく、費用対効果の高い設備改修工事となるポイントとなります。
目次
◯排水管の「更新工事」と「更生工事」の違いは何?
◯排水管の「更新」と「更生」それぞれのメリットとデメリットは?
◯「更新」するか「更生」するかはどのように判断すればよいの?
今週のもっと知りタイム
排水管を「長持ちさせる」秘訣は「部分補修」という第3の選択肢にあり
排水設備の「更新工事」と「更生工事」の違いは何?
「更新工事」とは、劣化や損傷の見られる排水管や機械を「新品と交換する」工事のことです。車に例えれば、「買い替え」になります。
「更生工事」とは、既設の配管はそのまま利用して「再生」する工事のことです。工法は施工会社により変わり何種類かありますが、一般的には排水管の中に特殊な塗料を流し込んで内側に膜を作る「ライニング工法」と呼ばれる工事を指します。
車に例えると、買い替えずに「オーバーホール」をするイメージに近いでしょう。
- 新車を買うか?
- オーバーホールするか?
排水管の「更新」と「更生」それぞれのメリットとデメリットは?
「更新工事」のメリットとデメリット
まず「更新工事」のメリットですが、資材をすべて「交換」して新品になるので、当然設備の寿命は伸びて事故やトラブルの起きる心配はなくなります。
また、新しい技術や資材を活用した工事を行うことで「設備が寿命も伸び」、結果として高い費用対効果が期待できるだけでなく、マンションの「資産価値」の向上にもつながります。
- コストパフォーマンスの高い新しい素材の排水管
- 資産価値向上
排水管の全面的な交換工事のデメリットとしては、大きな予算がかかり工期も長期間に及ぶことです。近年では建築費の高騰もあり、長期修繕計画で予定していた予算では足りないケースも出てきています。さらに、騒音など生活環境にも支障がでることを覚悟しなくてはならないでしょう。
「更生工事」のメリットとデメリット
続いて「更生工事」のメリットですが、既存の排水管を活かすため小規模の工事で済ますことができ、予算面や工期でも「更新」と比較して大きなアドバンテージがあります。
しかし「更生工事」にも課題はあります。もっとも大きな課題としては、特殊な工法を使った配管内の工事となるので、工事後の補修精度や品質をすべて確認することができないことです。
マンションによっては建物内で複雑な排水管が配管されているため、排水管内部が「確実に更生されているのか」が検証しづらいことや、更新と比べた工事後の寿命にも疑問は残ります。
「更新」するか「更生」するかはどのように判断すればよいの?
では排水管を改修する際、「更新」するべきなのか「更生」するべきなのかは、どのように判断をするばよいのでしょうか?
結論から言いますと、まずは複数の会社に「現場調査」依頼して「工事提案書」を提出してもらい検討をすることです。マンションの経年や劣化程度、また設備の設計によって検討すべきポイントが大きく変わるからです。
よく水道設備工事は「内科」の診療・治療に例えられることがあります。それは人間の体の中と同じように、目では見えない部分を直すからですが、工事のアプローチも医者と同じように会社や担当者によってさまざまな考え方とやり方があるのです。
手術ですべて移植することを主張する医者もいれば、手術は費用もかかるので投薬で治療する病院もあることと似ています。
病気治療にも「セカンドオピニオン」があるように、設備工事もできるだけ多くの業者から提案見積もりを受けることで、客観的な判断の精度が上がってきます。
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排水管を「長持ちさせる」秘訣は「部分補修」という第3の選択肢にあり


排水管の改修工事は「更新」か「更生」の2択、あるいはその改修箇所に合わせた使い分けをして工事することが一般的ですが、もう一つ「部分補修」というユニークな工事の考え方があります。
それは、排水管全体の「更新」「更生」をする前に、屋上に繋がっている排水管の先端部分(通気管)を早めに「補修工事」をすることで、排水管全体の更新工事の際にコストを安く抑えるという工事です。
この屋上通気金物が錆びて交換しなくてはならなくなる前に補修工事をすることで、排水管更新工事の際に屋上に穴をあけ通気管を抜く大工事をしなくても済みます。
虫歯が悪化する前に治療をすれば、「抜かなくて済む」ことと似ています。
今までは、技術的な課題があったため、施工を請け負う工事業者がいませんでしたが、新しい技術を取り入れたサービスも始まっています。
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