マンションの水道トラブルの原因と対策、漏水・赤水などの症状と工事の流れを解説

公開日: 2024/03/04  / 更新日: 2026/06/18

マンションの水道トラブル

マンションの水道設備のトラブルは、ある日突然発生します。経年劣化や使用頻度などにより、漏水や水圧の低下など様々な形で現れ、私たちの生活に大きな影響を与えます。
予定していた「大規模修繕工事」より早いタイミングで設備の不具合が発覚するケースも少なくありません。いざという時に慌てないためには、あらかじめ水道トラブルの「症状」と「原因」を知り、被害を最小限に抑える「初動対応」や対策工事の流れを把握しておくことが重要です。
この記事では、マンションで起こりやすい水道トラブルの原因と応急処置、費用の考え方から、根本解決に向けた工事の進め方について詳しく解説します。

アイコンこの記事のポイント

この記事では、マンションの水道トラブルについて、よくある症状から応急処置、工事による解決策までを解説しています。おさえておきたい主なポイントは以下の通りです。

【水道トラブルの4大症状】

「漏水(水漏れ)」「水圧・水量不足」「赤水・水質劣化」「異音・振動」の4つが代表的なサインです。

【トラブルが起きたらまずは元栓を閉め、管理組合へ】

被害拡大を防ぐため、まずはメーターボックス内の元栓(止水栓)を閉めます。個人の判断で業者を呼ばず、管理組合や管理会社へ連絡することが費用トラブルを防ぐ鍵です。

【費用負担は「専有部」か「共用部」かで変わる】

トラブルの原因箇所によって責任範囲が変わります。下階へ被害を出してしまった場合は、火災保険や個人賠償責任保険が適用されるケースもあります。

【解決に向けた3つの工事手法】

状況に合わせて、配管を新しくする「更新工事」、既存の配管を洗浄・補修する「更生工事」、またはその「併用工事」を選択します。専有部と共用部の同時施工を検討することがスムーズな解決のポイントです。

マンションの水道トラブルによくある4つの「症状」と「原因」

水道トラブルの症状

マンションの給水設備に不具合が生じた場合、私たちの生活において以下のような具体的な「症状」として現れます。見えている症状だけで判断せず、裏に隠れた原因を正確に把握することが適切な対応への第一歩です。

①漏水・水漏れ(床や天井が濡れている・ポタポタ落ちる)

漏水

住環境に最も大きな影響を与える深刻なトラブルです。マンション全体で一斉に起きることは少なく、一部の部屋で壁や天井からの水漏れが発覚し、徐々に広がっていくケースが多い傾向にあります。
蛇口のポタポタ漏れならパッキンの劣化ですが、壁や床が濡れている場合は金属配管のサビや腐食による欠損の可能性があります。また、水を使っていないのに水道メーターが回っている場合は、見えない場所での「隠れ漏水」のサインです。

②水量・水圧不足(水の出が悪い)

水圧不足

「シャワーの勢いが弱くなった」「朝や夕方の時間帯に水の出が極端に悪くなる」といった症状です。
原因としては、水道管の中にサビのコブ(サビ瘤)ができ水の通り道が狭くなっているか、水を押し上げる加圧ポンプ・増圧ポンプの能力低下(劣化・故障)が疑われます。複数の住戸で発生している場合は設備全体の問題です。

③赤水・水質劣化・異臭(水に色がつく・臭いがする)

赤水

蛇口から赤茶色く濁った水が出たり、「鉄の味がする」「下水やカビの臭いがする」といった症状です。
劣化した金属管から剥がれ落ちたサビが混ざることが主な原因ですが、異臭の場合は排水トラップの不具合や排水管からの臭気逆流も考えられます。衛生上非常に大きな問題となるため、飲用は避けて早急な対応が必要です。

④異音・振動(配管やポンプ室からの音)

水を出すときや止めたときに壁の中から「ドンッ」という衝撃音が鳴る(ウォーターハンマー現象)ほか、ポンプ室から「キーン」「ガラガラ」といった普段は聞こえない異音や振動が発生することがあります。これらはモーターの摩耗など、設備の故障が近づいている警告サインです。

トラブルが起きたときの「応急処置」と初動対応

調査

マンションで水道トラブルが起きたときは、原因究明より先に「被害拡大を防ぐ行動」が最優先です。
特に漏水は、床材や家具を傷めるだけでなく、下階への二次被害や電気設備への影響(漏電)にもつながります。焦らず、以下の順番で対応しましょう。

1. 被害拡大を防ぐため「元栓(止水栓)」を閉める

水漏れが続いている場合は、まず室内の水の流れを止めます。蛇口やトイレなど原因箇所が明確ならその設備の「個別止水栓」を閉め、壁内など場所がわからない・漏れが激しい場合は、玄関横のパイプスペースやメーターボックス内にある「全体の元栓」を閉めるのが安全です。同時に、濡れて困る家電や家具を移動させましょう。

2. 状況を写真・動画で記録する

応急処置をしたら、修理前の被害状況(漏れている場所、濡れた壁や床、メーターの動きなど)をスマートフォン等で撮影しておきましょう。後から管理組合や保険会社へ状況を説明する際の重要な証拠になります。

3. 個人の判断で業者を呼ばず「管理組合・管理会社」へ連絡

マンションの水道トラブルで最も注意したいのが、入居者が独断で個人の水道修理業者を呼んでしまうことです。原因が建物全体の「共用部」にあった場合、個人向け業者は専有部しか対応できず、無駄な出費になるケースがあります。また、事後報告では費用負担でトラブルになりやすいため、まずはマンションの管理組合(または管理会社・オーナー)へ連絡し、指示を仰ぐのが基本ルールです。

修理費用は誰の負担?専有部と共用部の違いと保険の適用

マンションの水道トラブルでは、「どの部分で起きたか」や「原因は何か」によって責任や費用負担が大きく変わります。

責任の境界線となる「専有部」と「共用部」

マンションの給排水設備は、大きく分けて2つの責任範囲が存在します。

  • 専有部(個人の責任): 各住戸内にある蛇口、トイレ、室内側の横引き給排水管など。居住者が日常使用する設備です。
  • 共用部(マンション全体の責任): 上下階を貫く縦管、受水槽、ポンプ設備など。

専有部の配管劣化や個人の過失(詰まり放置など)が原因であれば個人の負担となり、共用部の縦管の破損などが原因であれば管理組合(修繕積立金等)の負担となるのが一般的です。ただし、壁内にある配管など境界が曖昧なケースもあるため、管理規約の確認と専門業者による調査が欠かせません。

火災保険や個人賠償責任保険が適用されるケース

万が一、自室の水漏れで下の階に被害(天井のシミや家具の水濡れ)を出してしまった場合、原因設備の「修理費用」自体は自己負担になっても、下階への「損害賠償」や自室の床・壁の復旧費用には、加入している「火災保険」や「個人賠償責任保険」が適用できるケースが多くあります。
自己判断で示談にせず、早めに保険会社と管理組合に相談しましょう。

水道トラブルを根本解決するための工事の流れと種類

管理組合や専門業者による調査の結果、配管の劣化が原因で工事が必要と判断された場合、大きく分けて次の3つのパターンで修繕を進めていきます。

給水配管【更新・更生】工事の改修の流れ

1. 更新工事(取り替え)

問題のある配管箇所を、サビに強い新しい素材の管(樹脂管など)に「取り替える」工事です。根本的な解決になり、その後の寿命も大幅に延びますが、費用や工期がかかります。

2. 更生工事(クリーニング・補修)

既存の配管の内部をきれいに研磨してサビや汚れを落とし、内部に樹脂の塗料をコーティングして「再生させる」工事です。壁や床を壊す大掛かりな作業が少なく費用と工期を抑えられますが、配管の劣化が激しい(穴が空いている等)場合は施工できません。

3. 併用工事

建物の場所や配管の劣化症状に合わせて、「更新工事」と「更生工事」の両方を組み合わせて対応する手法です。予算と効果のバランスを取りやすいため、大規模修繕などでよく採用されます。

工事1 工事2 工事3

共用部と専有部の同時施工を検討する

配管工事1

配管工事2

マンション全体で修繕工事を行う際、共用部(縦管)だけでなく、各お部屋の中にある専有部(横引き管)の工事も同時に行うかどうかが大きな課題となります。合意形成は複雑になりますが、別々に工事を行うよりも足場や断水期間をまとめられ、将来の漏水リスクを一掃できる大きなメリットがあります。専門業者を交えて、理事会や住民間でしっかりと話し合いましょう。

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【まとめ】マンションの水道トラブルはサンコウ設備にご相談を

マンションの水道トラブルは、目に見えている個人の問題にとどまらず、建物全体の老朽化や給水設備の問題が絡んでいるケースが多々あります。「ポタポタ程度の漏水」や「赤水」などの小さな症状を放置すると、被害が拡大して高額な工事や賠償問題に発展する恐れがあります。

東京・埼玉エリアで年間100件以上の施工実績を誇るサンコウ設備では、マンション特有の給排水設備に精通したプロが、的確な原因究明と最適な工事プラン(更新・更生工事・直結増圧化など)をご提案いたします。管理組合様からのご相談や、現場調査・お見積もりは無料です。水道トラブルでお悩みの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

マンションの水道トラブルに関するよくある質問

Q 水道トラブルが起きたら、まずはどこに連絡すればいいですか?
A

マンションの場合、まずは「管理組合(または管理会社)」に連絡することをおすすめします。自分の部屋だけでなくマンション全体で同様のトラブルが起きている可能性があるためです。個人で水道業者を呼んでしまうと、共用部の問題だった場合に対応できず、費用負担のトラブルになることもあります。

Q 応急処置として自分でできることはありますか?
A

水漏れがひどい場合は、被害を最小限に食い止めるために、メーターボックス内にある「元栓(止水栓)」や各設備の個別止水栓を閉めてください。また、漏水箇所や被害状況を写真や動画で記録しておくと、その後の保険請求や原因調査がスムーズになります。

Q 漏水で下の階に被害を出してしまった場合、費用はどうなりますか?
A

漏水の原因が「専有部」の配管なのか、「共用部」の配管なのかによって負担者が変わります。個人の過失や専有部の劣化が原因の場合は個人負担となりますが、ご自身が加入している「個人賠償責任保険」などが適用されるケースが多いです。共用部が原因の場合は管理組合の保険等で対応するのが一般的です。

Q 更新工事と更生工事はどちらを選ぶべきですか?
A

配管の劣化状況やご予算によって異なります。劣化が著しく穴が空いているような場合は、新しい管に取り替える「更新工事」一択となります。劣化が比較的浅く、コストと工期を抑えたい場合は、内部をコーティングする「更生工事」が有効です。専門業者による内視鏡カメラ等の調査結果をもとに判断します。

この記事の監修者
株式会社サンコウ設備 代表取締役 浅川 浩一
株式会社サンコウ設備 代表取締役 浅川 浩一

平成7年の設立以来、30年にわたり給排水設備を中心としたインフラ工事に携わる。これまでに30,000件以上の工事実績を持ち、現場で積み上げた確かなノウハウが強み。

大手建築会社などの仲介業者を通さず、自社で直接ご提案から施工までを行う「工事直販」のスタイルにこだわり、多くの管理組合様やビルオーナー様から厚い信頼を寄せていただいている。

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