Weekly Column

マンションの水道設備を「もっと知りタイム」

もっと知りたい「今週のキーワード」

地震 マンション 排水 トイレ 災害マニュアル

公開日:2023/09/24

水道設備は災害時に最も困るインフラのひとつです。
マンションの排水設備は専有部と共有部がひとつのシステムとして運用され、上下階の部屋とも密接に関係しているため、地震などの災害時はいくつかの注意点が必要になります。
管理組合を中心にして、「もしも」の時のルールや対処方法を作り共有しておくことは重要です。

目次

◯大きな地震の時、マンション排水設備は使えるの?
◯地震のあと「トイレ」の利用はいつから可能になる?
◯トイレ機器メーカーの推奨する対応とは?

今週のもっと知りタイム

備えあれば漏水なし

大きな地震の時、マンション排水設備は使えるの?

平時よりマンション排水のしくみを「確認」しておく

一般的なマンションの排水設備では、トイレや台所のからの排水は、各部屋(専有部)の床下にある「横引き管」を経由して上から下までつながっている「共有配管(縦管)」に集められ、下水道へ流されます。

大きな地震の場合まず問題となるのが「横引き管の損傷」です。継ぎ目部分や劣化していた箇所が地震によりダメージを受けて、下の階へ漏水の原因になる可能性が大きくあります。

停電になると給水が止まる

直結給水を利用した低層階型のマンションは別ですが、ほとんどの場合地震により「停電」となるとポンプが動かず給水が止まり、住居内のキッチンや風呂、洗面所が機能しなくなるので排水も利用しない状況になります。

しかし停電にならず給水ができる状況であったり、またタンク内の水や高架水槽内に残っていている場合、一時的に使い水を流すケースが出てきます。

そういった状況や、仮に電力が復旧してマンション内の給水が可能になった時でも、「横引き管利用」の安全が確認でき、排水設備が正常に機能するまでは住居内の排水の利用は避けるべきでしょう。

地震のあと「トイレ」の利用はいつから可能になる?

災害時を想定した、各マンションの「マニュアル」を作成してルール作りを

大きな災害時ではマンション管理会社も正常には機能しなくなるため、通常トラブルがあれば「急いで直して」とか「おまかせしているから安心」という流れにならなくなることを、住民全員が認識をするべきでしょう。

 

排水設備に限らず、もしもの時の「災害時のマニュアル」を作成して、緊急時にマンション住民一人ひとりが出来ることやルールを明確にしておくことが大切です。

緊急時に住民ができる「排水設備」への対応とは?

まずは、トイレなど排水設備使用の可否判断の基準を明確化することが大切です。

 

次に時間の経過を区切り、「点検」「確認」「判断」をするために、「住民」「管理組合」「管理会社」が行うことを決めます。

 

たとえば大きな地震が起きた直後は、各家庭で

❶すぐにトイレは使わずに、簡易トイレを使用を徹底する

❷目視で各家庭のトイレの損傷状況を確認する

❸各家庭から管理組合に報告して、マンション全体の情報を集約する

以上の流れを徹底します。

つぎの段階で

❹管理会社へ情報を提供

❺専門家と連携をとりながら、組合として「バケツによる洗浄」の開始の許可を判断して各家庭へ通知

❻随時トラブルがないかを確認しながら、暫定的に各家庭で「バケツ排水」対応を続ける

❼管理組合から管理会社へ調査の依頼をして専門家の点検と判断

❽問題がなければ、各家庭で排水を許可。漏水などの問題がある箇所は「復旧作業」を進める

一例ですが、このような「手順」を決めておくことが災害時のトラブルを最小限にします。

トイレ機器メーカーの推奨する対応とは?

排水設備の損傷を点検後、利用再開が可能になった場合や、平時でも断水のため水が流せない場合に、住設メーカーTOTOが推奨している便器洗浄の方法がありますので、参考にするとよいでしょう。

①ふたを上げ、バケツ1杯分(6~8リットル程度)の水を一気に流し込む。
②さらに3~4リットルの水をゆっくり流し込む。
③排水管の途中で汚物が停滞するのを防ぐため、2~3回に1度のペースで10~12リットルの水を流す

https://jp.toto.com/support/emergency/teiden/teiden-leverari/

★★★もっと知りタイム★★★

備えあれば漏水なし

大きな震災を経験したマンションの居住者が共通して最も困った経験としてあげることは、トイレが使えなくなることです。
 
戸建ての場合、庭などに仮設トイレを作ることができますが、マンションの場合はできません。また、1981年以降の耐震基準で建てられたマンションでは、震度6強から7程度の大規模地震が発生しても倒壊・崩壊しない耐震設計になっており、自治体などからの避難勧告がない限り「在宅避難」になります。

 
風呂にためた水を使いトイレを流そうとする住民が多いようですが、排水管が損傷していると汚水が漏水してしまう危険があるので避けましょう。実際の過去の震災時でも、多くの事故が報告されています。
 

災害時には工事業者も素早い対応もできませんので、緊急用の「簡易トイレ」などを各家庭で常備しておくことが重要です。最低でも、家族が7日間対応できる備蓄をおすすめします。

参考記事https://www.sankou-setsubi.co.jp/services/check_haisui.html

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