Weekly Column

マンションの水道設備を「もっと知りタイム」

もっと知りたい「今週のキーワード」

マンション専有部分 漏水 給水管寿命 給水管交換費用 保険適用

公開日:2023/08/21

マンションの給水設備は、「共有部」と各家庭の「専有部」に権利と責任範囲が分かれます。どちらも建物内部に埋まって配管されているため、その劣化は普段目にすることがありませんが、経年とともに老朽化は進んでいます。
 
規約や入居時の契約内容にもよりますが、専有部において水道管の維持管理は居住者となります。
 
「漏水」などのトラブル時に慌てないために、管理・修繕に必要な費用や対策に関して、日頃より検討しておく必要があります。

目次

◯マンション水道設備の「専有部」のトラブルは個人責任って本当?
◯給水管の寿命は?
◯専有部配管の工事費用はどれくらいかかるの?

今週のもっと知りタイム

専有部における水道管の更新は、「管理組合」で考えるべき課題

マンション水道設備の「専有部」のトラブルは個人責任って本当?

「共有部」と「専有部」の境界

マンションの給水設備は建物全体ではつながっており、一つのシステムとして稼働していますが、管理の責任範囲は「共有部」と「専有部」に分かれています。

 

「給水管」は、メーターを境界点として専有部分と共用部分に分かれており、専有部の水道管を「横引き管」と呼びます。

複数の世帯で「赤水や濁り水が出る」などの問題では「共有部」の対応が必要となりますが、「専有部」における「漏水」などのトラブルは原則として当事者同士の問題となり、基本的には工事は「個人」の責任となります。(※入居時の契約によっては、自己負担せず、あるいは最小限の負担で済む可能性もあります)

 

保険は適用できるか契約内容を確認する

このように漏水による損害は、自分自身(の部屋)が損害を受けるケースと下の階の他人が被害を受けるケースの2種類あり、どちらのケースも「専有部」扱いの事故になります。

復旧工事に保険が適用されれば金銭的な負担は少なくて済みますが、例えば下の階の住人が保険に加入しておらず、かつ自分も「個人賠償責任特約」などの付帯契約をしないいない場合は、漏水対応の工事費は、基本的に原因となった上の階の住人が負担しなくてはならなくなりますので注意が必要です。

給水管の寿命は?

リノベーションを「ウリ」にしている中古の分譲マンションを購入する際は、購入前にマンション「内部の設備の劣化状況」を確認することをおすすめします。

 

専有部の水道管は水がそのまま給水される「給水管」と、給湯器から浴室・洗面所・キッチンなどにお湯を届ける「給湯管」の2系統が配管されています。給水管の寿命は「築年数」や使われてる「材料」「部品」により変わってきます。

専有部と共有部に限らず給水管の寿命は、国土交通省のガイドラインでは築後25年頃から対策を要するとされていますが、築20年以上のマンションの給湯管(給水管)は、ほとんどが銅管を使用しています。

 

管の寿命は、「亜鉛メッキ鋼管」(かつて主流だったが、現在では健康への影響が考慮され使用が禁止されている)は、一般的に15〜20年、水道管をビニル樹脂でコーティングした「硬質塩化ビニルライニング鋼管」の耐用年数は20〜25年とされています。

専有部配管の工事費用はどれくらいかかるの?

基本的に工事費用は各世帯で負担

どのような材料や工法が使われているかにより劣化のスピードは異なりますが、いずれにしても配管は老朽化(ほとんどはサビやカビ)により劣化は進み、更新をしなくてはなりません。

問題は共有部と異なり、設備そのものも自分の財産であり、その維持管理は所有者に責任があるということです。しかも配管は一般的に各部屋の床下に設置されているので、一度床を剥がしてから工事をすることになります。

工事内容にもよりますしあくまでも一般的なケースですが、配管に関わる費用は30万円ほどがひとつの目安となります。しかし、壊した壁や床を元通りにして内装をやり直す費用がかかることに注意が必要となってきます。内装材まで含めたリニューアルするのか?部分的な補修にとどめるか?により、トータルの予算感は大きく変わりますが、50万円から100万円ほどの高額な工事になる場合もあります。

マンションならではの工事の問題

また工事には、自分の部屋の断水や上下の階への騒音等の負荷がかかるだけではなく、マンションの設計によっては、(自室のコンクリート)床下と下階の天井裏の間に配管されている場合もあるため、2世帯を巻き込んで工事は複雑になり費用も大きくかさむといったケースもあります。

★マンションスケルトンリフォーム工事

★★★もっと知りタイム★★★

専有部における水道管の更新は、「管理組合」で考えるべき課題

マンション専有部における水道管のトラブルや劣化問題は、戸建て住宅とは異なり共用部分の配管と専有部分が繋がって設備として一体化しているため、「規約上は水道メーターの前と後で責任が変わるだけ」と言う単純な話しではありません。
 
わかりやすく言えば、いくら共有部の更新工事をしても、住人に予算がなく専有部の配管をそのままにすれば、漏水事故のリスクは高いままとなります。
 
むしろ給水方式を変えたり配管を更新することで、各家庭への水圧が高くなり、古いままの専有部の配管の事故は大きくなるかも知れません。
 
日本全体でみても、築年数の経過したマンションが多くなって問題が顕在化してきた背景もあり、国土交通省の「マンション標準管理規約」では、2021年に給排水管更新における専有部分の工事に関する部分が「追記」されました。
基本的に専有部の配管工事は各所有者の責任であることに変わりはありませんが、「各住人が個別に工事するより共有部と同時に工事したほうが安くなるなどの条件が整えば」マンション全体として検討しても良いとコメントが追記されています。
 
しかしその場合、管理組合が予め専有部の水道工事を長期修繕計画の対象として計画するなど、規約や手続きを変更することが必要となってきますので、日頃より管理組合でこの問題を話し合い、管理組合の対応を決めておくことが望ましいでしょう。

参考記事https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000052.html

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